店名:Com tam TAI
住所:1 Nguyen An Ninh, Q.Binh Thanh
ホーチミンっ子がこよなく愛するCom Tam(コム・タム)。
英語では、Vietnamese Broken Riceと翻訳されており、ご飯が砕けているのが特徴。
日本人的には、普通のご飯の方がおいしく
「私は、こんなご飯はイヤ!普通のご飯の方が良い!」
と言われることが多い。
私も最初はそう思っていたけど、食べなれると結構おいしい。
コム・タムというのは、元々精米したときにできるクズ米のことで、家畜のえさにしていたものを戦時中はお金がなく食べていたんだとか。
ところが、このクズ米が「栄養価が高く甘みがあっておいしい」と見直されるようになり、価格が上がり、今ではベトナム南部の代表料理と言われるまでの地位を築くほど有名になった。
それでも、11000d/kg(約60円)というから、一般家庭で食べられているお米に比べると少し安いと思う。
ただし、一般家庭でコム・タムを購入して炊くことはないとのこと。
ちなみに、ベトナム人が「コム・タムを食べる」と言うときは、この砕いたご飯の上に、豚肉をのせた料理のことを言うが、最近は豚肉だけでなく、一般的な家庭料理のおかずと一緒に提供する店も多い。

こちらが「Com Tam Suon Trung(コム・タム・スーン・チュン)」
スーンは、豚のあばら。
チュンは、玉子。
豚のあばらをタレに漬け込み、炭火で焼いたものをコム・タムの上にのせる。
ついでに、目玉焼きもトッピング。
説明不要の黄金コンビ。
これに甘辛いヌックマムをかけて食べる。
砕けたコム・タムの食感がよく、すすっと喉を通る。
お茶漬けって、味よりも喉越しじゃない?
それに似た感覚かと。
ヌックマムがご飯とよく合い、いくらでもご飯を食べられる。
南部定番の朝ごはんで
「朝っぱらから、焼肉かよ!」
と突っ込みたくなるものの、体力の消耗著しい南国では、これくらいスタミナをつけないと乗り切れない。

店先で、ノンラーをかぶったおばちゃんが、炭火で自家製タレに漬け込んだ豚肉を焼き続ける。
これぞ、南部の光景。
扇風機で風を送るところがナイス・アイデア。
タレの味がコム・タムの決め手。
厚すぎず薄すぎず、食べやすい厚さにカットした豚肉と、ニンニクの香りが心地よい甘じょっぱいタレが絶品。
北海道人なら、タレに漬け込んだジンギスカンを思い出すような味。

人気店は、バイクがいっぱい。
おいしい店には、お客がいっぱいというのは万国共通。

見えにくいけど、こちらがお店の看板。
看板には、朝-昼営業と書いてあるが、昔は朝だけの営業だったそうな。
それが客が多すぎるので、昼まで営業時間を延ばし、それでも間に合わないので今では夜23時まで営業しているとのこと。
儲かってるんやろなぁ~と思わず思ってしまうところが貧乏人根性丸出しで、ちょっと反省。

きれいな店内。
最近の人気店は、店がきれい。
店がきれいだから、ゴミを床に捨てる人がいない。
ベトナムも変わってきたなぁ~と思う。
まずいよりおいしいが良い。
汚いよりきれいが良い。
これも万国共通の心。
一般的にコム・タムは南部料理で、北部ではあまり見られない。
また、コム・タムが一日の食事のメインになることはなく、通常朝ごはんか夜食に食べられることが多い。
クズは主役にはなれないってことですな、悲しいけど。
なので、この店のように昼間も営業していて、客が絶えない店というのはあまりないと思う。
ホーチミン市へ旅行に来たら、是非コム・タム屋へ。
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